こちらのコラムでは、LIXIL(リクシル)のサービスである「建て得」の条件やメリット・デメリットを分かりやすく解説しています。
- お得に太陽光発電システムを導入したい
- ZEH住宅を建てる費用を抑えたい
このようにお考えの方にとって、実質0円または少ない負担で太陽光発電システムを導入できる「建て得」はぴったりのサービスなので、ぜひ最後までご覧ください。
<コラムのポイント>
- 「建て得」は、実質0円または格安で太陽光発電システムや蓄電池を導入できるサービスです。
- 創エネ設備の導入費用を抑えることでお得にZEHの住まいを建てることができ、光熱費削減にもつながります。
- 建て得を利用するには様々な申請や手続きがあるため、採用実績が豊富な住宅会社に相談することをおすすめします。
Contents
LIXIL(リクシル)のサービスである「建て得」とは
建材・住宅設備機器の総合メーカーであるLIXIL(リクシル)は「建て得」というサービスを実施しています。
「建て得」で、ZEH基準などを満たした住宅に実質0円または格安で太陽光発電システムや蓄電池を導入できるシステムです。
その代わりとして、余剰売電収入分を15年間は「LIXIL TEPCO スマートパートナーズ」に提供します。
つまり、余剰分を収入として得ることはできない分、初期投資を0円または格安にできるという仕組みです。
「建て得」で選べる5つのプラン
「建て得」には次の5つのプランがあります。
プラン名 | 内容 |
---|---|
①建て得でんちシリーズ | 太陽光発電システムと大容量蓄電池を格安で設置できるサービス (太陽光パネル搭載量:「でんち」5.0kW以上、「でんちプラス」13.0kW以上※) |
②建て得スマイル | 工事費のみで太陽光発電システムを導⼊・設置できるサービス (太陽光パネル搭載量4.5kW以上※) |
③建て得ライフ | 工事費のみで太陽光発電システムを導⼊・設置できるサービス (太陽光パネル搭載量7.0kW以上※) |
④建て得バリュー | 実質0円で太陽光発電システムを導⼊・設置できるサービス (太陽光パネル搭載量9.0kW以上※) |
⑤建て得リフォーム | LIXILの断熱リフォームをすると、工事費のみで太陽光発電システムを導⼊・設置できるサービス (太陽光パネル搭載量4.5kW以上※) |
※垂直積雪量50cm以下のエリアの場合
それぞれ内容が異なるため、屋根に搭載できるパネルの量や暮らし方に合ったプランを選ぶことが大切です。
対象住宅
建て得の対象となる住宅の種類をご紹介します。
プラン名 | 対象住宅 |
---|---|
①建て得でんちシリーズ | ZEH |
②建て得スマイル | ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented、SW工法リフォーム、まるごと断熱リフォーム、改正省エネ基準 |
③建て得ライフ | ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented、SW工法リフォーム、まるごと断熱リフォーム |
④建て得バリュー | ZEH、SW工法リフォーム、まるごと断熱リフォーム |
⑤建て得リフォーム | LIXIL断熱リフォーム、その他 |
「建て得でんちシリーズ」と「建て得バリュー」はZEHのみ対象で、Nearly ZEHやZEH Orientedは対象外です。
また、建て得スマイルは改正省エネ基準でも対象となる点が特徴です。
費用負担
各プランの費用負担をご紹介します。
プラン名 | 費用 |
---|---|
①建て得でんちシリーズ | 建て得でんち:設置工事費一律220万円 建て得でんちプラス:設置工事費一律165万円 |
②建て得スマイル | 設置工事費一律49.5万円(太陽光容量10kW未満) |
③建て得ライフ | 設置工事費一律33万円(太陽光容量10kW未満) |
④建て得バリュー | 費用負担なし |
⑤建て得リフォーム | 設置工事費一律49.5万円 |
建て得バリューは費用の負担がありませんが、それ以外のプランには工事費がかかります。
建て得でんちは他のプランと比べて工事費用が高いですが、日中に発電した余剰分を蓄電池に溜め、夜間や災害時も使える点を踏まえるとメリットは大きいです。
おすすめのタイプ
各プランでおすすめのタイプをご紹介します。
プラン名 | おすすめなタイプ |
---|---|
①建て得でんちシリーズ | ・蓄電池も同時に導入したい ・より電気代の負担を減らしたい ・災害時も対応できるようにしたい |
②建て得スマイル | ・デザインにこだわった外観でパネルの搭載量が限られる ・ZEH基準や改正省エネ基準を満たした住宅を建てたい |
③建て得ライフ | ・都市型狭小住宅などでパネルの搭載量が限られる ・費用負担を抑えてZEH基準を満たした住宅を建てたい |
④建て得バリュー | ・初期負担なしで太陽光発電システムを導⼊したい ・屋根面積が広いためパネルをたくさん載せられる |
⑤建て得リフォーム | ・断熱リフォームをして太陽光発電システムも導入したい ・現在よりも電気代を抑えたい |
ご自身の考えに近く、建物の条件を満たしているプランを選びましょう。
LIXIL(リクシル)「建て得」の利用条件
新築に「建て得」を利用する際の利用条件をご紹介します。
詳細は公式ページをご確認ください。
参考:ZEHをお得に「建て得」|株式会社LIXILTEPCOスマートパートナーズ
お申し込み条件
お申し込みに関する条件をご紹介します。
- 建て得契約者・電気契約者・建物所有者を同一名義にすること
- 65歳未満の方であること
- 定期収入があること
- 日本語での会話や読解が問題なくできること
- 過去に太陽光発電が建築住所と同一の敷地に存在していないこと(既存の場合は条件あり)
- パソコン・タブレットPC・スマートフォンのいずれかと電子メールアドレスを持っていること
- ご契約手続き期間中の2週間の内に書類の受取、送付、ご記入、捺印ができること
- 信販会社とのローン契約の審査が通り、15年間の契約ができること
建物所有者だけが同一名義の条件になっているため、使用貸借などで土地所有者が違う場合でも利用できます。
ローンの契約を行いますが、解約等しない限り月々の支払いは発生しません。
対象住宅
対象となるのは一般住宅であり、店舗併用住宅や共同住宅には利用できません。
また、一般住宅であっても以下に該当する家は対象外です。
- 煙突のある建物
- 建築地が防火地域の場合
- 鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物
- 道路が通じていない離島
- 海岸線から近い建物
土地探しから始める方は、事前にこちらの条件を把握しておくことをおすすめします。
採用できない設備
「建て得」を利用する場合、契約期間中は以下の設備を採用することができません。
- 1kWh以上の蓄電池の追加設置(「建て得でんち」で販売する蓄電池を除く)
- 電気自動車から住宅へ電気を供給する設備(別途オプションプランあり)
- 発電設備の追加(カーポートに太陽光パネルを搭載する等)
- 家庭用電気サウナ
- 電気を使用したロードヒーティング
- コージェネレーション(エネファームなどの発電機能を有する給湯器)
- ハイブリッド給湯機(昼間に太陽光発電を利用する沸き上げ機能)
- 別棟への電気供給(ガレージや納屋を除く)
- 蓄熱式暖房機器
- 停電以外でも外部から住宅に給電できる機器
- 売電を毀損する機器(電気使用量が著しく多い電化製品等)
- EV・PHEV充電用の回路を「30A以上にする」「複数設置する」
こちらは制限が多いため、事前に確認が必要です。
昼間に太陽光発電を利用して沸き上げする「おひさまエコキュート」は設置が禁止されていますが、別途オプションプラン申込みで使用できるようになります。
15年間の契約終了後は上記設備を採用できます。
LIXIL(リクシル)の「建て得」を採用するメリット
LIXILの「建て得」を利用するメリットをご紹介します。
メリット① 少ない負担または実質0円で太陽光発電システムを導入できる
最大のメリットは少ない費用または実質0円で太陽光発電システムを導入できることです。
太陽光発電システムは数百万円の初期投資がかかるため、家づくりの費用に大きく影響します。
削減できた費用で建物の面積を広くしたり、採用したかったオプションを取り入れたりするなど、建て得の利用で家づくりの選択肢が広がるのはうれしいポイントです。
メリット② ZEHの条件である「創エネ」にかかる費用を削減できる
ZEH基準を満たした住まいを建てるには、自宅でエネルギーをつくり出す「創エネ」設備を設置しなければなりません。
太陽光発電システムを創エネ設備として採用するご家庭が多いため、建て得によって費用を削減できるのは大きなメリットです。
建て得を利用した住まいでも、ZEH補助金や子育てグリーン住宅支援事業の補助金申請ができるため、よりお得に高性能な住まいを建てることができます。
メリット③ 大容量の太陽光パネルを搭載しやすい
建て得を利用すると、大容量の太陽光パネルを搭載しやすい点も魅力です。
一般的には、太陽光パネルの枚数を増やした分だけ材料費が上がります。
しかし、建て得なら基準の範囲内なら搭載量を増やしても、設置費用は変動しません。
大容量の太陽光パネルを搭載しておけば、契約終了後も売電できる場合は収入が得られますし、蓄電池を購入して電気を溜めておくことも可能です。
メリット④ 電気代の節約につながる
建て得を利用すると電気代の節約につながります。
日中に発電した分はご家庭の電気として使用できるため、光熱費の削減が可能です。
また、LIXIL製品を多く使うほど電気料金がお得になる「建て得を利用者向けの電気プラン」もあるため、条件が合えば買電代もお得になります。
メリット⑤ 日照時間の長い夏場はよりメリットが大きい
日照時間の長い夏場は、建て得の恩恵をより実感しやすくなります。
朝から夕方までの暑い時間帯は発電量が多いため、エアコンを点けっぱなしにしても電気代がかからないケースが多く、在宅ワークの方やペットがいるご家庭にぴったりです。
発電している間に料理をしたりお風呂に入ってドライヤーを使ったりと、電気を使う時間帯を調整することで節電につながります。
メリット⑥ システムやパネルの出力保証がついている
建て得で採用される太陽光発電にはシステムやパネル出力の保証がついています。
- 太陽光発電システム工事保証:15年
- ソーラーパネル出力保証:25年
- 太陽光発電システム保証:15年(メーカー保証)
保証規定に該当する不具合などは、無償で対応してくれる安心のサービスです。
生活する上での具体的なメリット、詳しい電気代などについて知りたい方は「ハグデザイン」までお気軽にご相談ください。
LIXIL(リクシル)の「建て得」を採用するデメリット
LIXILの建て得と採用するデメリットをご紹介します。
デメリット① 当初15年間は売電できない
建て得は初期費用の負担をなくしたり軽減したりする代わりに、余剰売電収入分を「LIXIL TEPCO スマートパートナーズ」に提供する仕組みです。
そのため、契約期間の15年間は太陽光発電システムによる収入を得ることができません。
日当たりの良い立地に大容量の太陽光パネルを設置した場合、売電量が多くなり、建て得を利用するよりも自分で購入した方が結果的に得だったというケースも想定できます。
デメリット② 解約時は清算金を支払う必要がある
契約期間中に建て得を解約する場合は、清算金等を支払う必要があります。
建物を売却・賃貸したり名義を変更したりする際も、解約の扱いになるため注意が必要です。
途中で解約する事態にならないよう、事前に電波障害や近隣への反射光がないかなどを確認しておくことをおすすめします。
デメリット③ 入居から発電開始まで時間がかかるケースも
太陽光発電システムを稼働させるためには、経済産業省のFIT認定(事業計画認定)が必須です。
事業認定には時間がかかるケースが多く、入居のタイミングによっては発電が開始できないケースも少なくありません。
そのため、入居後数ヵ月は買電する必要があり、思ったよりも電気代がかかったという事例もあります。
ただし、こちらは建て得に限らず太陽光発電システムを導入するすべての方に該当するデメリットです。
デメリット④ 採用できる住宅会社が限られる
建て得は、大手ハウスメーカーではなく中・小規模のビルダーへ向けた事業です。
また、建て得のサービスに登録した事業者でないと提案することができません。
建て得のページから、利用できる住宅会社をチェックしましょう。
群馬県伊勢崎市の設計事務所「ハグデザイン」では建て得をご提案可能です。
デザインや暮らし心地の良い住まいと共に、太陽光発電システムや蓄電池のあるエコな暮らしをご提案いたします。
LIXIL(リクシル)の「建て得」でよくある質問
建て得に関するよくある質問にお答えします。
費用は住宅ローンに組み込めるのか
建て得バリュー以外のプランは工事費がかかりますが、住宅ローンに組み込むことが可能です。
建物に付帯する太陽光発電システムは住宅ローンに含めることができるため、建て得でも同様の扱いになります。
途中で蓄電池やV2Hを設置しても問題ないのか
建て得の契約期間中は、途中で蓄電池やV2Hを設置することはできません。
「建て得でんち」の契約でも、これらの設備を追加で設置すると規定違反で解約となるため注意が必要です。
蓄電池やV2Hを設置したい場合は、建て得の契約期間が終了してから検討しましょう。
▷関連コラム:「V2H」とは何かをわかりやすく解説|メリット・デメリットや蓄電池との違いも
発電量の確認はどのようにするのか
「建て得」で設置した太陽光発電システムの発電量は、スマートフォンやタブレット、PCからいつでも確認できます。
契約後に送付される設定マニュアルを参考に、ご自身で操作して初期設定が必要です。
また、有料オプションで専用モニターやHEMSも導入することで、より手軽に発電量が確認できるようになります。
▷関連コラム:HEMSに必要な機器とは|基礎知識や補助金制度、いらないと言われる理由も解説
まとめ
建て得は、実質0円またはお得な工事費だけで太陽光発電システムを導入できるサービスです。
これから住まいのスタンダードになるZEH基準の住まいを建てるなら、創エネ設備の費用を抑えられる「建て得」の利用は大きなメリットになると言えます。
電気代が節約できる省エネな住まいを建てたいという方は、ぜひ建て得を検討してみましょう。
群馬県で建て得を利用した住まいを建てたいなら「ハグデザイン」へご相談ください。
一級建築士がお住まいになる方の暮らしを考え、建て得を最大限に活用できるプランをご提案します。