空き家を活用した不動産投資は、初期費用が抑えられるなどが理由で、注目が集まっています。
そこで今回は、空き家を賃貸として不動産投資するメリットをご紹介し、リスクや対策を解説します。
群馬県における空き家の現状や補助金についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
＜コラムのポイント＞
- 空き家を活用した不動産投資は、初期費用が抑えられるなどのメリットの他に、地域社会に貢献できるなどの魅力もあります。
- 目標の収益を達成できるような賃貸物件になるよう、事前の情報収集や詳細な計画を立てましょう。
- 空き家はリノベーションしてから賃貸に出すことが前提のため、信頼のおける設計・施工会社を見つけることが大切です。
Contents
空き家の不動産投資が注目されている
近年、空き家を活用した不動産投資が注目されています。
なぜなら、社会問題となっている「管理されていない空き家」を活用することは、地域の景観や防犯の改善につながるからです。
また、不動産投資をする人にとっても、比較的低コストで不動産を取得できるため、収益を生むチャンスがあります。
空き家を所有する人と不動産投資する人、そして社会全体にとってメリットをもたらすため、様々な方が空き家の不動産投資に関心を持っています。
空き家とは
空き家とは、長期間人が住んでいなかったり将来的にも利用する予定のない建物のことです。
こうした空き家は管理できていないことが多く、老朽化による倒壊の危険や、衛生面や防犯面などが問題視されています。
空き家が増加している背景には、次のような要因があります。
- 高齢化社会の進行
- 人口減少
- 単世帯の増加
- 都市部への人口集中
様々な社会的要因によって空き家が増加し続けているといった状況です。
空き家を活用した不動産投資の方法
空き家を活用した不動産投資にはさまざまな手法がありますが、最も一般的なのは住宅として使われていた空き家を購入し、リノベーションしたうえで賃貸に出す方法です。
他にも、次のような投資事例もあります。
- 民泊を運営する
- シェアハウスにする
- 古民家をカフェなどにする
- コワーキングスペースにする
- 地域の集会場などにする
それぞれ一定の需要がありますが、郊外の一軒家の場合は運営が難しいケースもあり、一般的な賃貸と比べて管理も大変です。
そのため、不動産投資の経験があまりない方には「空き家を購入・リノベーションして賃貸する」といったベーシックな方法が選ばれています。
空き家を活用して不動産投資するメリット
空き家を活用して不動産投資するメリットをご紹介します。
物件の取得にコストがかかりにくい
空き家は一般的な中古物件と比べて販売価格が低く、取得にコストがかかりにくいです。
しっかりと現地を確認し、リノベーション費用をなるべく抑えられるような物件を選ぶことで、より初期投資を抑えることができます。
初期投資が少ない不動産投資は早期の資金回収が見込めるため、リスクを抑えられる点も大きな魅力です。
安定的な賃料を得られやすい
戸建ての空き家を賃貸する場合、ファミリー層などの一世帯に貸し出すケースが一般的なため、安定的な賃料を得やすいです。
一方、アパートなどは借り手を複数人集める必要があり、戸建て賃貸と比べて入居者の入れ替わりが多い事例も少なくありません。
入居者が長期的に暮らすことが多い戸建て賃貸は、安定的な収益が期待できるだけでなく、クリーニング費用などの管理費を抑えられるなどのメリットもあります。
ただし、入居者が退去したタイミングでは、次の契約が決まるまで収入がなくなるといったリスクがある面も把握しておきましょう。
リノベーションによって住まいの価値を高めやすい
空き家は、そのままの状態では不動産投資としての活用が難しいケースも少なくありません。
しかし、適切なリノベーションを実施すれば建物の価値を高めることが可能です。
特に「木造」の空き家はリノベーションの自由度も高く、地域のニーズに合わせた間取り変更や、流行りを取り入れたデザインなどに柔軟に対応できます。
古い建物でも、耐震補強工事や断熱リフォームによって、快適性を大幅に向上させることが可能です。
自治体によっては補助金を活用できる
自治体によっては、空き家の活用やリノベーションを支援してくれるケースもあります。
空き家問題の解決を目的として実施されている支援制度で、条件に合致すれば補助金を受け取ることが可能です。
賃貸などの不動産投資を目的とした空き家リノベーションでも、補助対象になるケースもあるため、自治体の情報を事前に確認しておくことをおすすめします。
地域社会への貢献にもつながる
空き家活用は、社会問題の解決の一手を担い、地域にもメリットをもたらします。
なぜなら、空き家だった建物や敷地を適切に管理することで、まちの景観が良くなったり、防犯性が高まったりするからです。
不動産投資の目的である「収益を得る」だけでなく、地域社会にも貢献できるのは、空き家活用ならではの魅力と言えます。
空き家を活用して不動産投資するリスクと対策
空き家を活用して不動産投資する際のリスクと対策をご紹介します。
立地によっては借り手が見つかりにくい
戸建ての空き地は郊外に位置しているケースが多く、立地によっては借り手が見つかりにくいリスクがあります。
そもそも、以前の所有者も利便性の悪さや使いにくさを感じていたため、活用できずに手放した可能性も考えられますよね。
ニーズに合わない立地に戸建て賃貸を出しても、空室期間が長くなり、早期売却につながる恐れがある点には注意が必要です。
【対策】
事前にリサーチして、どのエリアの空き家購入が望ましいのか確認しましょう。
戸建てを希望するファミリー層にマッチしたエリアの特徴をご紹介します。
- 駅やバス停などが比較的近く通勤・通学しやすい
- 車を使う場所では主要道路へのアクセスが良い
- スーパーや学校、病院などが近くて暮らしやすい
- 工場地帯などが近くて働き口が多い
- 治安が良く子育てしやすい
こうしたポイントを押さえつつ、空き家の立地を見極めることで、長期的に安定した賃貸経営ができる可能性が高まります。
想定外のリノベーション・メンテナンス費用がかかる可能性がある
空き家の状態によっては、リノベーションやメンテナンスに想定以上の費用がかかるリスクもあります。
特に築年数の古い空き家の場合、工事が始まってから構造体の劣化や損傷が見つかる事例も少なくありません。
予期せぬ出費が発生すると、賃料設定の見直しが必要になったり、投資回収までの期間が延びたりする可能性もあります。
【対策】
物件購入時は、次のような対策をおすすめします。
- 第三者による「住宅診断」を実施する
- リノベーション業者に現地を見てもらう
「住宅診断」を実施することで、ご自身では確認しにくい床下・屋根裏・基礎なども、プロの目で確認してもらうことができます。
また、あらかじめ工事を依頼したいリノベーション会社を決めておき、空き家の内覧時に同席してもらうと安心です。
リノベーションのプロに物件を確認してもらうことで、想定できる工事と費用を事前に把握し、購入を判断できます。
古い空き家は自然災害のリスクが高い
古い空き家は、自然災害のリスクが高い点も理解しておく必要があります。
現在の建築基準法に適合していない空き家は、耐震性や耐風性が十分でないことが多いです。
そのため、地震や台風などによって、建物が損傷しやすい状態になっている可能性もあります。
【対策】
- 「住宅診断」を行う
- 昭和56年6月1日以降に建築された空き家を購入する
- 耐震補強工事などのリノベーションを実施する
住宅診断を行い、空き家の状態をプロに確認してもらって、状態を把握することが大切です。
昭和56年6月1日以降に建てられた建物は、現行の耐震基準を満たしているため、築年数の確認も1つの目安となります。
新耐震基準の建物でも、耐震性に不安があると判断された場合は、耐震補強工事をして安全性を高めましょう。
将来的な売却が難しいケースも
賃貸の不動産投資では、将来的な売却も視野に入れた計画がポイントです。
リノベーションをして、賃貸物件として有効活用できていた空き家でも、そのままスムーズに売却できるとは限りません。
売却時は購入時よりもさらに築年数が経っているため、建物としての資産価値がほとんど残っていないケースも珍しくないからです。
【対策】
将来的な売却を見据えることも重要ですが、築浅の物件は初期費用が高くなりやすいため、空き家を選ぶメリットが薄れてしまいます。
そのため、賃貸期間中は適切な管理やメンテナンスを行い、できるだけ建物の状態を維持することが大切です。
売却前に内装や設備を交換する、または購入者のリノベーションを加味した販売価格の設定によって、スムーズに取引できる可能性を高めることができます。
「ハグデザイン」では、実績豊富な一級建築士が最初のお打合せからお引渡しまでを一貫してサポートいたします。
購入を希望している物件内覧の同席もお任せください。
エリアに適した間取りや動線を取り入れ、将来的には売却も見据えた長持ちする住まいにリノベーションいたします。
初心者・サラリーマンでも実践しやすい空き家の賃貸投資の始め方
空き家の不動産投資は、初心者やサラリーマンの方でも挑戦しやすい方法です。
スムーズに始めるために、流れを理解しておきましょう。
- 投資の目的や期間を考える
- エリアを絞って情報収集する
- 収支の資金計画を立てる
- 空き家物件・リノベーションの依頼先を検討する
- 空き家の購入・リノベーション工事
- 入居者の募集
- 管理・運営する
不動産投資を成功させるためには、目的・収益の目標・期間などを考え、計画を立てることが大切です。
購入したいエリアの物件情報を集め、空き家の価格・周辺の戸建て賃貸物件の家賃をチェックして、費用や収入の相場を把握しましょう。
空き家を実際に検討する際には、リノベーション業者にも意見をもらうことで、工事内容や費用を事前に把握できます。
物件の情報を集めると同時に、リノベーションを依頼する会社を検討しておくと、空き家購入から工事完了までがスムーズです。
入居者募集では、不動産サイト・SNSを利用したり地元の不動産会社へ依頼したりと、様々な方法を活用することがポイントです。
戸建て賃貸は一世帯のみの入居となるため、入居者との良好なコミュニケーションを心掛け、長期契約につながるよう適切な管理を行いましょう。
空き家のリノベーションは群馬県の設計事務所「ハグデザイン」にお気軽にご相談ください。
建物をしっかり確認した上で、空き家の状態やニーズに合ったリノベーション内容をご提案いたします。
群馬県の空き家に関する情報
群馬県の空き家に関する情報をご紹介します。
群馬県の空き家の現状
「令和5年住宅・土地統計調査」によると、群馬県の空き家数は約16.1万戸で、5年前に比べ1.9％増加している状態です。
その中の約45％が、管理不十分になりやすい「賃貸用や売却用でない一般的な住宅」であり、賃貸の不動産投資として活用できる可能性があります。
空き家に対するサポート
群馬県では、県および各市町村に空き家に関する相談窓口を設けており、売却を希望する方や購入を検討する方の両方をサポートしています。
また、各市が運営する「空き家バンク」では、空き家の情報を公開しており、物件探しの際に活用可能です。
群馬県の空き家に関する補助金
群馬県の一部の市町村では、空き家に関する補助金があり、購入やリフォームにかかる費用を支援しています。
前橋・高崎などでは空き家のリフォームに対する補助金制度があります。
ただし、前橋市では居住するためのリフォームが対象なので、賃貸用の工事には活用できません。
高崎市では、事務所や店舗を営業するための空き家リフォームの補助を行っていますが、賃貸運営は別途確認が必要です。
まとめ
空き家を賃貸物件として活用する不動産投資は、初期投資が少なく不動産投資の経験が少なくてもリスクが少ないです。
一方で、空き家の内容や立地によっては入居者募集の難易度が高まったり、リノベーション時に不測の追加費用が必要になったりするリスクもあります。
そのため、適正な価格でニーズに合った建物へリノベーションできるような、信頼できる会社に工事を依頼することが大切です。
群馬県の空き家リノベーションなら「ハグデザイン」へご相談ください。
エリアのニーズを熟知したスタッフが、暮らしやすさや居心地の良さを感じる戸建て賃貸リノベーションをご提案いたします。
