「群馬県は暑い」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実際に、群馬県前橋市・桐生市・館林市などは毎年夏に高温を記録しているため、快適に暮らすことができるのかと不安に感じる方も多いはずです。
そこで今回は、群馬県が暑い理由を解説し、新築時にできる暑さ対策をご紹介します。
群馬県で「涼しい家」を建てて快適に暮らしたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<コラムのポイント>
- 関東平野の内陸部に位置する群馬県は、南から吹き込む暖かい風やフェーン現象などによって、夏場は気温が上昇しやすいです。
- 熱の出入りを抑える高気密高断熱住宅にして、効率的に室内を換気・冷房できる工夫を取り入れることで、涼しい家を建てることが可能です。
- 群馬県の気候をよく理解していて、季節ごとの温度差や日射条件を踏まえた提案をしてくれるような、地元の住宅会社に家づくりをお任せすることがポイントです。
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Contents
群馬の夏はなぜ暑いのか|3つの理由を解説
全国的に見ても夏場の群馬県は気温が高く、暑い県として知られています。
群馬県の夏が暑くなるのか理由を確認しましょう。
内陸のため暖められた南風が吹き込むから
群馬県は関東平野の内陸に位置します。
元々平野部は暖かい空気が滞留して、気温が上がりやすいです。
それに加えて、海風が東京や埼玉などの関東南部を通過する際に、コンクリートなどの熱で暖められるため、熱風になった状態で群馬へ吹き込みます。
元々暑い内陸の群馬県に、暖められた南風が入ってくるため、さらに気温が上昇するという仕組みです。
「フェーン現象」が起こるから
群馬県は「フェーン現象が起こりやすい地形」という点も暑さの理由に挙げられます。
フェーン現象が起こる流れを確認しましょう。
【フェーン現象】
- 湿った風が山にぶつかって上昇する
- 空気が上昇するにつれて冷やされる
- 雲ができて風上側に雨が降る
- 雨が降ることで空気中の水分量が減る
- 湿った空気が「乾いた空気」になる
- 乾いた空気が山の反対側に吹き下りる
- 空気が下降するにつれ圧縮されて温まる
- 風下の地域は乾燥して気温が高くなる
日本海側の山にぶつかった空気が、群馬県に吹き下りてくるときには高温になっています。
特に、山のすぐ近くに平地がある桐生市・前橋市・伊勢崎市などが、フェーン現象の影響を受けやすいです。
地球温暖化や都市化の影響
世界中で問題になっている地球温暖化も、年々群馬県が暑くなる要因の1つです。
さらに、高崎市・前橋市をはじめとする都市部の発展や車社会の影響により、コンクリートで舗装された道路や、熱を蓄えやすい建物が増加しています。
道路や建物が昼間の熱を蓄え、夜になっても放熱し続けることで、地域全体の気温が下がりにくくなっているのです。
涼しい家をつくるときに基本となる3つのポイント
▷施工事例:群馬県伊勢崎市|デザインガレージ+最高の断熱性能と省エネ性能
涼しい家をつくるときには、次の3つのポイントが基本となります。
- 熱の出入りを減らす
- 空気の循環をつくり出す
- 冷房器具を効率的に活用する
熱の出入りを減らして外気の影響を受けにくい環境にして、室内の空気がしっかりと循環する仕組みをつくったうえで、冷房器具を効率的に使うことがポイントです。
3つの条件を1つでも満たしていないと、涼しい家をつくることはできません。
それぞれの詳しいポイントを解説します。
①熱の出入りを減らす
室内の温度上昇の大きな要因は、直射日光が当たることによって外部から熱が侵入することです。
エアコンなどでどれだけ冷やしても熱の出入りがあると、涼しい部屋にはなりません。
夏場の快適性を高めるためには、熱が室内へ伝わることを防ぎ、建物の隙間を減らすことがポイントです。
②空気の循環をつくり出す
涼しい家をつくりたいなら、空気の循環をつくり出すこともポイントです。
現在の住宅では24時間換気システムの導入が義務付けられているため、2時間に1度は家の中の空気が入れ替わるように設計されています。
しかし、換気システムの種類や間取りによっては空気の流れを上手くつくれないケースもあるため、効率的に換気できるような機器選びや工夫を取り入れることが重要です。
③冷房器具を効率的に活用する
高性能な冷暖房器具を効率的に活用することで、室内の快適性を高めることができます。
どんなに高気密高断熱な家を建て、空気を効率的に循環させても、冷たい空気が送られないと涼しい家にはなりません。
保冷機能付きの水筒は冷水を入れるから低い温度をキープできるのであって、常温の水を入れても冷たくならないですよね。
住宅も同じで、どんなに建物の性能が高くても、冷房する機能がないと快適な空間をつくりだすのは困難です。
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群馬県の暑い場所でも「涼しい家」にする方法と新築時の暑さ対策
群馬県の暑い場所でも「涼しい家」にする方法をご紹介します。
新築時に取り入れられる具体的な暑さ対策をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①断熱材の工夫で性能を高める
室内と外気の熱移動を減らすために、断熱性を高めることが重要です。
高断熱な家にするには、次のような方法があります。
- 高性能な断熱材を適切な厚みでしっかりと施工する
- 屋根や基礎など家全体を断熱する
ただ高性能な断熱を採用するだけでなく、断熱性能を確保できる適切な厚みをしっかりと施工することが大切です。
厚みが足りなかったり断熱材と構造材の間に隙間があったりすると、断熱性や気密性は大幅に低下します。
屋根や基礎まで適切な断熱材で覆うことで、小屋裏や基礎内に熱が溜まりにくくなり、夏の暑さによる不快さを軽減しやすいです。
②熱が伝わりにくいハイスペックな窓を選ぶ
▷施工事例:群馬県前橋市|大きな窓と下屋を複合した省エネ住宅
熱が出入りしにくい窓を選ぶことも、住まいの断熱性に大きく影響します。
- 樹脂サッシ
- 複層ガラス(ダブル・トリプル)
- Low-E膜入りガラス
- ガスが充填されたガラス
これらの窓を採用することで、熱の移動を抑えることが可能です。
南面の大きな窓はハイグレードにするなど、部分的に対策してもいいでしょう。
③気密性にこだわって建物の隙間をなくす
建物の隙間をなくして気密性を高めることも、暑さ対策の方法として効果的です。
高気密な家にするためのポイントをご紹介します。
- シンプルな形状にして外気に触れる面積を減らす
- 断熱材やサッシを隙間なく施工する
- 気密テープなどを使って建物の隙間を塞ぐ
- 開け閉めできなくてもいい箇所は「FIX窓」にする
同じ30坪の建物でも、凹凸が多いと外周面が広くなったり接合部が増えたりするため、隙間が生じやすくなります。
極力シンプルな建物形状にすることで気密性を高められますが、気密テープを施工することでより細かい隙間を埋めることが可能です。
窓はレール部分に隙間ができやすいため「はめごろしのFIX窓」を使い勝手に応じて採用します。
また、気密性において大切なことは施工性の高さです。
上記のような工夫を取り入れても適切に施工できなければ、建物に隙間は生じてしまいます。
設計力だけでなく、施工まで安心して任せられるような信頼できる住宅会社を選びましょう。
④効率的な換気システムを導入する
「全熱交換型第一種換気システム」を採用して、換気の効率性を高めることで、熱の損失を防いで涼しい家をつくることができます。
- 全熱交換型第一種換気システム:給気と排気の際に熱交換を行い、機械で計画的に換気するシステム
夏場は、排気に含まれる冷やされた熱を回収して給気に伝えるため、室温に近い涼しい空気を取り入れることができます。
高温の外気がそのまま室内に入らないため、群馬の暑い夏でも快適な空気環境を保ちやすいです。
▷関連コラム:全熱交換器付き換気システムの仕組みを分かりやすく解説|メリットや注意点も
⑤室内に取り込む日射量を調整する
▷施工事例:群馬県伊勢崎市|無垢とパッシブデザインに全館空調の「南千木の家」
室内に取り込む日射量を調整する方法も、室内の暑さ対策として効果的です。
具体的には次のような方法があります。
- 屋根の軒を延ばして日差しを遮る
- 下屋(1階部分の独立した屋根)をつける
- インナーテラスを採用する
- 窓に庇やルーバーをつける
1年を通じた日射の角度を理解して必要な日除けを取り入れれば、夏場の強い日差しは遮り、冬場は柔らかな光を取り込むことが可能です。
インナーテラスや中庭に屋根がかかっていると、外でも過ごしやすくなりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
⑥自然素材を取り入れる
調湿効果を持つ自然素材を取り入れることで、夏の多湿による不快感を軽減できます。
自然素材は湿気を吸ったり吐いたりでき、室内の水分量に応じて湿度を調整することが可能です。
湿気によって部屋の体感温度は異なるため、湿度を下げられれば夏場のジメっとした空気を感じにくくなります。
⑦遮熱性の高いカーテンやシェードを採用する
窓や屋外だけでなく、室内側にも遮熱性の高いアイテムを採用することで、夏の暑さ対策につながります。
具体的には、遮熱性の高いカーテンやシェードを窓に付ける方法です。
特に、日当たりが良い大きな窓は、性能を重視したカーテン・シェード選びが重要になります。
⑧高効率な冷房器具を活用する
効率的な冷暖房器具を活用することは、涼しい部屋をつくるうえで大切なポイントです。
最近では、部屋の温度や湿度・人の位置・時間帯などを把握して、最適なモードを選択してくれるようなエアコンもあります。
また、アプリで操作ができるエアコンなら、帰宅時間に合わせて快適な室温に調整できて便利です。
エアコン以外にも、建物全体の冷房ができる「全館空調システム」などもありますので、住宅会社が採用している住まいの冷房方法を確認してみてくださいね。
▷関連コラム:全館空調はやめたほうがいいと言われる8つの理由と対策|後悔しないためのポイントも
⑨シーリングファンで空気の流れをつくる
▷施工事例:群馬県伊勢崎市|デザインガレージ+最高の断熱性能と省エネ性能
天井にシーリングファンを設置することで、空気の流れが生まれ、室内の温度を均一に保ちやすくなります。
夏は冷房で冷やされた空気を効率よく循環させることで体感温度が下がり、より涼しく快適な空間になります。
冬場はファンの回転方向を上向きに切り替えることで、暖かい空気を足元に循環させる効果があり、1年を通して活躍するおすすめの設備です。
⑩北面の窓を有効的に活用する
北面の窓を有効的に活用する方法も、夏場の暑さ対策につながります。
直射日光が入らない北面は、窓をあまり付けないご家庭も少なくありません。
しかし、実際は北向きの窓でも一定量の明るさは確保できますし、直射日光が入らないので室温が上がりにくいというメリットもあります。
あえて吹き抜けの窓を北向きに配置し、柔らかな光を取り込み、熱が伝わることを防ぐことも選択肢の1つです。
⑪外壁は明るい色にして熱の吸収を抑える
▷施工事例:群馬県伊勢崎市|低アレルゲンを徹底的に盛り込んだ最高の健康デザイン住宅
外壁を白やベージュ、ライトグレーなどの明るい色にすることで、光を反射して熱の吸収を抑えることができます。
黒やダークグレーなどの外壁は、建物に熱を吸収して蓄えやすく、室温が高くなるケースも少なくありません。
ただし、暗い色の外壁を採用する場合でも、高断熱な壁やサッシを採用すれば室温の上昇を抑えることが可能です。
屋根も明るい色の方が熱の吸収を抑えられますが、断熱の工夫によって対応できますので、デザインと性能のバランスを考えて選んでみてくださいね。
⑫植栽によって日陰をつくり出す
窓の前に庭木を植えると、室内に入る直射日光を遮ることができます。
冬場には葉を落とし、室内に熱を取り込んでくれる「落葉樹」がおすすめです。
また、ネットなどにツル状の植物を這わせてつくる「グリーンカーテン」の採用も、暑さ対策の効果が期待できます。
⑬高気密高断熱住宅を扱う地元の住宅会社に家づくりを依頼する
何よりも大切なのは、高気密高断熱住宅を手がけていて、設計力もある地元の住宅会社に家づくりを依頼することです。
標準仕様で性能の高い住まいを建てている会社であれば、断熱・気密性を高める方法を熟知していますし、追加費用が発生しにくいというメリットもあります。
また、群馬県の気候をよく理解している地元の住宅会社なら、季節ごとの温度差や日射条件を踏まえた、快適で省エネ性の高い設計をしてくれるはずです。
「ハグデザイン」では、群馬県で家づくりをしている地域密着の設計事務所です。
経験豊富な一級建築士が高気密高断熱住宅で暮らしやすい住まい・外構を提案しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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群馬県の日照時間の長さを活かせる「太陽光発電できる家」もおすすめ
▷施工事例:群馬県前橋市|太陽光+蓄電池+V2Hのスマートハウス
政府が2023年に行った調査によると、群馬県は日照時間の長さが全国2位という結果でした。
【日照時間の長さランキング】
- 1位:埼玉県
- 2位:群馬県
- 3位:山梨県
参考:地域ランキング | 都道府県データ | 政府統計の総合窓口
また、降水日数ランキングは全国43位にランクインしており、群馬県は「日照時間が長くて雨が少ない気候」であることが分かります。
そこで、群馬県で家を建てるなら「太陽光発電システム」を採用し、気候の特性を生かす家づくりをしてみてはいかがでしょうか。
太陽光発電システムは、日照時間が長いほど発電量を確保できますし、雨の日が少ないほど発電効率を高めやすいです。
ご自宅で電気をつくることができれば、電気代が抑えられて節約になり、災害時などにも対応できる住まいになります。
群馬県の暑さを逆手に取り、夏場の長時間の日射を有効活用した住まいを検討してみてくださいね。
▷太陽光発電システムに関連するコラム:
・太陽光発電は何キロのせるべきなのか|目的別の容量、蓄電池と組み合わせる場合も解説
・スマートハウスにデメリットはあるのか|対策やメリットについても解説
まとめ
全国的に見ても群馬県の夏は暑く、最高気温は年々上昇傾向にあります。
群馬県で暮らすなら夏場の暑さ対策は必須であり、新築時に涼しい家にするための工夫を取り入れることがポイントです。
高気密高断熱住宅を手がけている、群馬県の住宅会社に相談し、夏場も快適に過ごせるマイホームを検討しましょう。
夏涼しく冬暖かい家を建てたいなら「ハグデザイン」へご相談ください。
群馬県の家づくりを熟知している一級建築士が、快適性を高めた高気密・高断熱な住宅をご提案いたします。