2026年もGX志向型住宅を対象とした補助金事業である「みらいエコ住宅2026事業」が政府から発表されました。
そこで今回は、GX志向型住宅の基礎知識と最新の補助金情報をわかりやすく解説します。
補助金を活用してお得に省エネ性能の高い住まいを建てたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
※当記事では2026年の補助金に関する最新情報をお伝えします。
2026年の補助金詳細が確定する2026年3〜4月頃まで、最新情報を更新していきます。
<コラムのポイント>
- GX志向型住宅は、省エネ+創エネによって「一次エネルギー消費量削減率が原則100%以上」を実現する省エネ性の高い住宅です。
- みらいエコ住宅2026事業の補助金を活用すると、GX志向型住宅に対する補助金を受け取ることができます。
- 高い省エネ性を持つGX志向型住宅は高度な設計力・施工力が求められるため、ZEH水準住宅やHEAT20の基準を満たした住宅の施工実績が豊富な会社への相談がおすすめです。
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Contents
GX志向型住宅の基準とは|基礎知識を分かりやすく解説

「GX志向型住宅」とは、ZEH水準住宅を超える高い基準を満たし、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上などの条件を達成した住まいのことです。
省エネ性能が高い住宅のため、暮らしの快適性が向上し、電気代高騰リスクの軽減も期待できます。
GX志向型住宅は、再生可能エネルギーを活用して脱炭素社会を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)住宅として、「脱炭素志向型住宅」とも呼ばれます。
GX志向型住宅の基準
GX志向型住宅は、次の3つの基準を満たすことが条件です。
①断熱等性能等級「6以上」であること
②一定の一次エネルギー消費量の削減率を満たすこと
③HEMSを設置すること
具体的な内容を確認しましょう。
①断熱等性能等級「6以上」であること
断熱等性能等級とは、住宅の断熱性能や省エネ性能を評価するための基準のことです。
1~7段階まで分かれ、GX志向型住宅では上から2番目の「等級6以上」が必要です。
ちなみに、ZEH水準住宅の基準は「等級5以上」のため、GX志向型住宅はより高い断熱等級が求められることがわかります。
②一次エネルギー消費量の削減率が下記を満たすこと
GX志向型住宅では、一次エネルギー消費量の削減率に対して基準が設けられています。
| 一般 | 寒冷地等 | 都市部狭小地等 | |
|---|---|---|---|
| 再生可能エネルギーを除く | 35%以上 | ||
| 再生可能エネルギーを含む | 100%以上 | 75%以上 | ― |
再生可能エネルギーを「除く」・「含む」場合の両条件を満たす必要があります。
太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを含む場合は、立地によって条件が異なる点もポイントです。
③HEMSの設置
GX志向型住宅には「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」などの機器を設置する必要があります。
HEMSとは、太陽光発電システムの発電量を把握し、住宅内の冷暖房設備や給湯設備などを管理できる設備のことです。
他の機器との接続できる仕様が求められていますが、家電や設備とつないでスマートハウスにするかは、住まい手の判断に任されています。
参考:報道発表資料:住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定! 国土交通省・経済産業省・環境省が連携して取り組みます!~省エネ住宅の新築、住宅の省エネリフォームを支援する 「みらいエコ住宅2026事業」を創設します~|国土交通省
参考:住宅:みらいエコ住宅2026事業について|国土交通省
▷関連コラム:HEMSに必要な機器とは|基礎知識や補助金制度、いらないと言われる理由も解説
ZEH水準住宅や長期優良住宅との違い
GX志向型住宅と、ZEH水準住宅や長期優良住宅の違いを確認しましょう。
- ZEH水準住宅:断熱性向上や高効率な設備の導入によって、一次エネルギー消費量を削減した住宅
- 長期優良住宅:省エネ性や耐震性など7つの分野の基準を満たした、長い間良好な性能が維持できる住宅
GX志向型住宅は、長期優良住宅やZEH水準住宅と比べてより高い断熱性や省エネ性が求められます。
一方で長期優良住宅は、耐震性や劣化対策などの幅広い分野において基準が設けられている点が特徴です。
ZEH水準住宅は、2030年時点での「日本の省エネ基準のスタンダードになる住宅」と位置付けられています。
▷関連コラム:「ZEH水準の省エネ住宅」を建てるメリット|ZEHとの違いと2025年・2030年の義務化についても
GX志向型住宅の補助金「みらいエコ住宅2026」の概要と条件

2026年に住宅の新築や既存住宅をリフォームする方を対象とした「みらいエコ住宅2026事業」が、2025年度補正予算案に盛り込まれました。
「みらいエコ住宅2026事業」は、2025年に実施されていた「子育てグリーン住宅支援事業」の後続事業です。
GX志向型住宅は「みらいエコ住宅2026事業」の補助対象となる住宅なので、「高い断熱性能・省エネ性能にこだわって家づくりをしたい」とご希望の方は、お得に家づくりができます。
「みらいエコ住宅2026事業」とは
「みらいエコ住宅2026事業」とは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、政府が省エネ性の高い新築住宅を支援するために実施を決定した事業です。
「みらいエコ住宅2026事業」を活用した場合、省エネ性の高い住宅をお得に建てられるため、具体的に次のようなメリットがあります。
- 建築費の負担軽減
- 住まいの快適性向上
- 電気代の削減
2026年に家づくりを検討している方は「みらいエコ住宅2026事業」の活用も視野に入れて計画を立てることをおすすめします。
補助金額
「みらいエコ住宅2026事業」はGX志向型住宅以外に、長期優良住宅とZEH水準住宅も補助の対象です。
| GX志向型住宅 | 長期優良住宅 | ZEH水準住宅 | |
|---|---|---|---|
| 補助金額 (5~8地域) |
110万円/戸 | 75万円/戸 | 35万円/戸 |
| 補助金額 (1~4地域) |
125万円/戸 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
| 建て替えを伴う 古家の解体がある場合 |
加算なし | 20万円加算 | 20万円加算 |
3つの高性能住宅の中でGX志向型住宅が最も高い補助金を受け取れます。
長期優良住宅とZEH水準住宅は、建て替えを伴う古家の解体工事がある場合、補助額が加算される点がポイントです。
みらいエコ住宅2026事業は「地域区分」によって補助金額が異なる点が特徴です。
全国の各市町村は省エネ地域区分に基づいて8つの地域に分けられ、群馬県前橋市や伊勢崎市は「6地域」に分類されます。
一方で群馬県高崎市はほとんどのエリアが「6地域」ですが、気温が低くて高い断熱性が求められる旧倉渕村のみ「4地域」など、市町村の一部だけ区分が異なるケースも少なくありません。
お住まいの省エネ地域区分を確認し、GX志向型住宅を建てたときに貰える補助額を把握しておきましょう。
参考:断熱性能|建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表⽰制度|国土交通省
参考:住宅:法令・制度、省エネ基準等|国土交通省
対象となる住宅・世帯の条件
先述した通り、GX志向型住宅以外に長期優良住宅とZEH水準住宅も補助の対象となります。
それぞれ条件が異なり、GX志向型住宅が最も高水準です。
| GX志向型住宅 | 長期優良住宅 ZEH水準住宅 |
||
|---|---|---|---|
| 断熱等性能等級 | 等級6以上 | 等級5以上 | |
| 一次エネルギー 消費量の削減率 |
再エネを除く | 35%以上 | 20%以上 |
| 再エネを含む | 原則100%以上 | 基準なし | |
| 高度エネルギーマネージメント | HEMSの設置等 | 基準なし | |
| 対象世帯 | 基準なし | 子育て世帯または 若者夫婦世帯のみ |
|
GX志向型住宅では、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを含む、一次エネルギー消費量の削減率を原則100%以上にすることが求められます。
ただし、寒冷地または低日射地域は75%以上、都市部狭小地や多雪地域は要件なしなど、立地によって異なる点には注意が必要です。
GX志向型住宅では全世帯が対象になるのに対し、長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯と若者夫婦世帯に対象が限られます。
補助金を受け取るための条件
補助金を受け取るためには、住宅や世帯の条件に加えて次の内容も満たす必要があります。
- 床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- みらいエコ住宅2026に登録した事業者と工事請負契約を締結して新築すること
- 2025年11月28日以降に基礎工事に着手すること
- 住居専用または店舗併用の戸建て住宅であること
- 住宅の性能を確認できる証明書(BELS評価書等)があること
- 建築主(所有者)が自ら居住すること
- 未完成または完成から1年以内で人が住んだことがない住宅であること(=新築住宅)
様々な条件がありますが、自宅を新築し、事業者登録している住宅会社と契約して家づくりを進めればクリアするケースがほとんどです。
「2025年11月28日以降に基礎工事に着手すること」が条件のため、すでに請負契約が済んでいる場合でも、要件を満たしていれば申請できます。
申請について
「みらいエコ住宅2026事業」の申請の時期や内容を解説します。
- 交付申請期間:2026年3月下旬(予定)~予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日※まで)
- 交付申請のタイミング :基礎工事の完了以降
- 予約受付期間(任意):2026年3月下旬(予定)~予算上限に達するまで(遅くとも2026年11月30日※まで)
- 完了報告期間: 2027年7月31日(予定)
※ZEH水準の条件を満たす住宅が普及し、標準的な仕様となりつつあることから「ZEH水準住宅」においては下記期間とする
・交付申請期間:遅くとも2026年9月30日まで
・予約受付期間:遅くとも2026年8月31日まで
「みらいエコ住宅2026事業」では、原則として住宅会社が代理申請を行い、補助金の交付を受けます。
そのため、基本的にお客様自身が第三者機関とやりとりする必要はありません。
補助金を工事金額に充当するか、一旦住宅会社が交付を受けたのちにお客様へ振り込んでもらうかは相談して決めます。
補助金を活用してGX志向型住宅を建てたい方は、群馬・伊勢崎の「ハグデザイン」へお気軽にご相談ください。
実績豊富な一級建築士が、GX志向型住宅の基準を満たしたうえで、地域の気候に合った最適な性能をご提案いたします。
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GX志向型住宅と「みらいエコ住宅2026事業」に関するよくある質問

GX志向型住宅や「みらいエコ住宅2026事業」の補助金に関する質問について回答します。
①GX志向型住宅は建築費用が高くなるのか
結論から申し上げますと、GX志向型住宅を採用することで建築費用が高くなる可能性は考えられます。
なぜなら、住宅の省エネ性を高めるために、建物の断熱性を高めたり高性能な設備を導入するからです。
再生可能エネルギーを活用するために、太陽光発電システム等の導入も必要になります。
<ポイント>
住宅会社の標準的な建物の仕様によって、どのくらい高くなるのかはケースバイケースです。
元々省エネ性が高い住宅を提供している会社であれば、費用アップを抑えられる可能性もあります。
住宅会社にGX志向型住宅を希望する旨を伝え、標準仕様の建物との違いや差額を確認しましょう。
②大容量の太陽光発電システムが必須なのか
GX志向型住宅を採用する場合、一般的には太陽光発電システムを導入します。
なぜなら、一般地域の場合は再生可能エネルギーを含めて100%以上、寒冷地等においては75%以上の一次エネルギー消費量削減を満たすことが条件にあるからです。
一次エネルギー消費量削減を100%以上にするには、家で使うエネルギーを超える量をご自宅で発電する必要があります。
住宅の面積や省エネ性能、採用する設備によって太陽光発電システムの必要容量は異なるため、事前のシュミレーションが大切です。
③蓄電池は採用が必須なのか
蓄電池の導入は、GX志向型住宅の条件にはありません。
そのため、蓄電池がない住まいでもGX志向型住宅としての認定を受けることは可能です。
ただし、要件を満たした住宅に蓄電池を導入した場合、機器代・工事費・据付費の3/10を補助する事業の実施も予定されています。
GX志向型住宅の補助金にプラスして、蓄電池の導入費用の補助を受けられますので検討してみましょう。
蓄電池に関しては、こちらのコラムでも解説していますのでぜひご覧ください。
▷関連コラム:スマートハウスにデメリットはあるのか|対策やメリットについても解説
④補助金はいつからスタートするのか
2025年11月28日に「みらいエコ住宅2026事業」の予算案が閣議決定されたため、事業自体は2026年にスタートする見通しです。
申請開始の時期は2026年3月下旬を予定していますが「2025年11月28日以降に基礎工事に着手する住宅」が対象となっています。
GX志向型住宅を建てるためには、省エネ性を高めるための設計・検討する時間が必要なため、早めに家づくりを進めておくことで補助金を受け取れる可能性が高まります。
⑤2025年実施の「子育てグリーン住宅支援事業」と「みらいエコ住宅2026事業」の違い
2025年に実施された「子育てグリーン住宅支援事業」と「みらいエコ住宅2026事業」の違いをご紹介します。
現時点で公表されている違いは次の3点です。
| 子育てグリーン住宅支援事業 (2025年の補助金) |
みらいエコ住宅2026事業 (2026年の補助金) |
|
|---|---|---|
| 補助金額(最大) | ・GX志向型住宅:160万円 ・長期優良住宅:80万円 ・ZEH水準住宅:40万円 |
・GX志向型住宅:125万円 ・長期優良住宅:80万円 ・ZEH水準住宅:40万円 |
| 地域区分による補助額の違い | なし | あり (5~8地域と1~4地域で分類) |
| 対象工事 | 2024年11月22日以降に、地上階の柱・壁の工事等を開始するもの | 2025年11月28日以降に、基礎工事に着手すること |
| 事業者あたりの 交付申請件数の上限 |
なし | 300戸/月 |
2025年の補助金と比べると、GX志向型住宅の補助額が50万円の減額になっています。
一方で比較的寒冷である1~4地域には、補助額が上乗せされる点が2026年の大きな変更点です。
また、対象工事に基礎工事が含まれるため、2025年11月28日より早く着工している住宅のほとんどが対象外になります。
⑥他の補助金と併用できるのか
「みらいエコ住宅2026事業」は、原則として国費が使われている他の補助金との併用はできませんが、国費が充当されていない地方公共団体の補助金は利用できます。
ただし、蓄電池の導入に対する補助金である「DRに対応したリソース導入拡大支援事業(仮)」は、国が実施する事業ですが例外的に併用が可能です。
リフォームの場合は、請負契約が別である工事においては住宅省エネキャンペーン内の補助金を併用できます。
併用できる補助金事業を組み合わせながら、賢く家づくりを進めましょう。
こちらのコラムでは2025年に実施されていた群馬県の補助金の情報をご紹介しています。
2026年も同様の事業が実施される可能性があるため、ぜひ参考にしてみてください
▷関連コラム:【2025年度】群馬県に新築住宅を建てるときに使える補助金|内容・補助額を分かりやすく解説
⑦補助金の対象外になるケースはあるのか
「みらいエコ住宅2026事業」では、下記の建築地に該当する場合は申請の対象外です。
以下の住宅は、原則対象外とする。
[1] 「土砂災害特別警戒区域」、「急傾斜地崩壊危険区域」又は「地すべり防止区域」に立地する住宅
[2] 「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、
土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、
3戸以上の開発又は1戸若しくは2戸で規模1,000㎡超の開発によるもので、都市再生特別措置法に基づき
立地を適正なものとするために行われた市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅
[3] 「市街化調整区域」のうち、「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域
における浸水想定高さ3m以上の区域に限る。)」に立地する住宅
[4] 「市街化調整区域以外の区域」のうち、「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は
高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る。)」かつ「災害危険区域」に立地する住宅
土砂災害や地すべり、浸水などのリスクが高いエリアに建築する場合は申請できません。
ご自身の建築エリアが該当していないか、住宅会社にあらかじめ確認してもらいましょう。
GX志向型住宅は対応できるハウスメーカーが限られる

GX志向型住宅は高い断熱性・省エネ性が求められるため、なかには実績がほとんどない住宅会社もあります。
断熱性を高めるためには、単純に断熱材やサッシの性能を高めるだけでなく、設計や施工の技術も重要になるからです。
高性能住宅の実績が少ない場合、設計や施工に不備が発生しやすく、家づくりがスムーズに進まないリスクも想定できます。
高気密・高断熱な家づくりをしていて、太陽光発電システムや蓄電池などの設備の導入実績が豊富な、設計・施工力のある住宅会社を選ぶことが大切です。
ハグデザインは、一級建築士によるお住まいになる方の暮らしを考えた空間提案や省エネ性の高い家づくりを得意としております。
ZEHやHEAT20のG2グレードなど高性能住宅の施工実績が豊富であり、もちろんGX志向型住宅にも対応可能です。
補助金を上手に活用して省エネ性能の高い住まいを建てたいという方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
まとめ
2026年も補助金を賢く活用することで、高い省エネ性能を持つ「GX志向型住宅」をよりお得に建てられます。
確実に補助金を活用するために「みらいエコ住宅2026事業」の内容をしっかりと把握し、最新情報をチェックすることが重要です。
こちらのコラムでも随時情報を更新していきますので、ぜひ家づくりにお役立てください。













